わたしたちの耳は20代以降、徐々に聴力は低下し、早ければ40代~50代で聞こえづらくなったと感じ始めます。60代になると聞こえが悪くなったことを感じる人が急激に増えてきます。65-74歳では3人に1人、75歳以上では約半数が聞こえに悩んでいるといわれています。
聞こえづらくなることは、危険を察知する能力が低下したり、家族や友人とのコミュニケーションがうまく行かなかったりなど様々な社会生活に影響を及ぼします。また、耳が遠くなると脳への刺激が減り認知能力が低下し、認知症との関係性も指摘されています。
聞こえづらくなったと感じた際はそのままにせず聞こえを改善することはとても大切なことなのです。
特に高齢者の方はご自分で気づかないうちに聞こえが悪くなっている場合がありますので、ご家族で気をつけてあげることが重要です。
ご本人が気づくポイントとして、
・テレビの音が大きいと言われたことがある。
・音は聞こえているけど、会話が理解できない。
・家族の会話が聞き取りにくくなった。
・病院などで名前を呼ばれて聞き逃してしまう。
ご家族が早く気付いてあげるためのポイントとして、
・テレビの音量が大きい
・インターホン、電話音に気付いていないことがある
・聞き返してくることが多くなった
・話声が大きくなった
・もの忘れが多くなった
などがあります。
年齢を重ねるにつれて衰える聴力は残念ながら回復することできません。ただ、補聴器や集音器などの機器を使用して聞こえを改善することは可能です。上記のような症状が現れた際には耳鼻咽喉科で聴力テストを受け、聴力レベルを確認することが重要です。
補聴器はしばしば高額であることが多いため、症状が軽い場合はまずは集音器をお試しいただくこともおすすめです。